宇宙人探しのAI、隠れた惑星を31個も発見した

夜空の星を見上げて、「あの星にも惑星があるのかな?」と思ったことはありませんか? 実は今、AIがその答えをものすごいスピードで探し出しているんです。


そもそも「太陽系の外の惑星」ってどうやって見つけるの?

まず、前提の話をさせてください。

宇宙には太陽系の外にも無数の惑星が存在しています。こういった惑星のことを「系外惑星(けいがいわくせい)」と呼びます。

でも、遠すぎて望遠鏡で直接見ることはほぼできません。では、どうやって見つけるのでしょう?

天文学者たちが使う主な方法は、「星の光の変化を観察する」というものです。

イメージしてみてください。懐中電灯の前を虫が横切ると、光が一瞬だけ少し暗くなりますよね?惑星が星の前を横切るときも、まったく同じことが起きます。その「ほんのわずかな暗さの変化」をとらえることで、惑星の存在を確認できるんです。

NASAの宇宙望遠鏡「TESS(テス)」は、まさにこの方法で空全体を監視しています。地球から見える空のほぼすべての範囲を、何年もかけてじっと観察し続けているんです。


データが多すぎて、人間の手では追いつかない

TESSが集めたデータは、とんでもない量です。

何千万個もの星の明るさを、ずっと記録し続けているわけですから、そのデータ量は想像を絶します。このデータの中には、惑星のサインが隠れているかもしれない。でも、人間が一つひとつ目で確認していくのは、現実的ではありません。

そこで登場したのが、AIです。

イギリスのウォーリック大学の天文学者チームは、このTESSのデータを自動で解析できる、新しいAIツールを開発しました。


AIが「隠れた惑星」を次々と発見

このAIが何をするのか、簡単に説明しますね。

AIは膨大なデータの中から「怪しい光の変化のパターン」を探し出します。つまり、「この星、ちょっと定期的に暗くなってない?」という信号を見つけ出すわけです。

ただ、ここが難しいところで、光の変化には惑星以外の原因もたくさんあります。星自体が脈打つように明るさを変えることもあるし、2つの星が互いの周りをぐるぐる回っている「連星(れんせい)」という現象でも似たような変化が起きます。

人間の目ではなかなか見分けるのが難しいこういった「偽物のサイン」を、AIは高い精度でふるいにかけることができます。料理で言えば、砂の中から本物の金粒だけを選び出すようなイメージです。

その結果、今回のチームはなんと31個の新しい惑星を発見。さらに、これまで「惑星かもしれない」と思われていたものも含め、合計100個以上の惑星の存在を確認することに成功しました。

100個以上、ですよ。これはすごいことです。


この発見が持つ意味

「惑星が増えたからって、何が変わるの?」と思った方もいるかもしれません。

でも、これは単純に「惑星の数が増えた」という話ではないんです。

宇宙のことを理解するには、「サンプルの数」がとても大切です。たとえば、日本人の平均身長を調べたいとき、10人だけ測るよりも1万人測った方が、ずっと正確な答えが出ますよね。

惑星も同じです。発見できる惑星の数が増えれば増えるほど、「惑星ってどうやって作られるのか」「地球に似た惑星はどのくらいの割合で存在するのか」といった、宇宙の根本的な謎に近づけるんです。

そして何より、惑星の中には「生命が存在できるかもしれない環境」を持つものもあるかもしれません。今回発見された31個の中にも、そういった候補が含まれている可能性があります。


AIは、私たちの「宇宙を見る目」を変えつつある

今回の研究でもっとも重要なのは、「発見の方法そのもの」が変わったという点かもしれません。

これまで天文学者が時間をかけて手作業でやっていた分析を、AIが自動化・高速化できることが証明されました。つまり今後は、同じ量のデータからより多くの発見が生まれる時代になる、ということです。

TESSはまだ観測を続けています。そして、AIツールはさらに進化していくでしょう。

もしかしたら近い将来、「地球にそっくりな惑星」がAIによって発見される日が来るかもしれません。その惑星に、誰かが住んでいたりするのでしょうか?

答えは、まだ宇宙の暗闇の中に眠っています。